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今回は『デュアルセンサーブレーキサポートⅡ』についてご説明したいと思います。
デュアルセンサーブレーキサポートⅡとは、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」に採用されている最新の衝突被害軽減ブレーキです。
『単眼カメラ』と『ミリ波レーダー』の2種類のセンサーで、車両、歩行者、自転車、自動二輪車を検知し、衝突の回避や被害軽減をサポートします。
では、「単眼カメラとは?」「ミリ波レーダーとは何なのか?」「何故この組み合わせなのか?」それぞれの役割や特徴などについてご説明させていただきます。
「単眼カメラ」と「ミリ波レーダー」について
最近のスズキ車には最新の予防安全システムが搭載されています。
「自動ブレーキが付いているから安心」
「いざという時に守ってくれる」
そう思われる方も多いと思います。しかし、このシステムを正しく理解するには、「どのように周囲を見て検知しているのか」「何が得意で何が苦手なのか」を知ることが大切です。
「単眼カメラ」「ミリ波レーダー」とは何か?
それぞれの機能を分かりやすく人間に例えると
- 単眼カメラ=「目」
- ミリ波レーダー=「距離感を測るセンサー」
という役割になります。
それぞれの得意分野を組み合わせることで高い認識性能を実現しています。
単眼カメラとは?
単眼カメラはフロントガラス上部に設置された高性能カメラで、1つのレンズで前方の景色を撮影する装置です。自動ブレーキや車線キープなどの運転支援システムで使われます。このカメラで歩行者や前の車を見つけて事故を防ぐ仕組みです。

単眼カメラは人間の『目』と同じように景色を撮影し、コンピューターで分析します。
単眼カメラの得意なこと
・人を見分けられる
歩行者なのか?自転車なのか?車なのか?を判別できます。

・白線を認識できる
これによって『車線維持支援』『車線逸脱警報』が可能になります。

・標識も読める
『速度制限』『進入禁止』『一時停止』などを認識できます。

※デュアルセンサーブレーキサポートⅡの場合

※デュアルセンサーブレーキサポートⅡの場合
単眼カメラの弱点
カメラは人間の目と同じなので見えなければ認識できません。

・逆光
・トンネル出口
・夕日
・夜間
・豪雨
・濃霧
・雪
・レンズの汚れ(フロントガラスの汚れ)
人も眩しいと目が眩んだり、悪天候では視界が悪くて運転しづらくなりますよね。単眼カメラも、このような状況では性能が低下することがあります。

・距離を測るのが苦手
人間の目は左右2つで距離感を測ります。1つのカメラだと前の車まで「何メートルか」を正確に測るのが難しいのです。

つまり単眼カメラは、前走車や歩行者、自転車、道路の白線、標識などを識別できるが、悪天候などに弱く、距離の測定が苦手という特徴があります。
ミリ波レーダーとは?
ミリ波レーダーは、フロントグリル付近などに搭載され、目には見えない電波を前方へ発射して反射波から対象までの距離や速度を測定します。

ミリ波レーダーが得意なこと
・前方車両までの距離を正確に測れる
・相対速度が分かる
・夜間でも性能が落ちにくい
・雨や霧でも比較的安定して検知できる
・遠くの車まで検知できる

単眼カメラが苦手とする夜間、雨、雪、霧などの悪条件下でも、視界に左右されず安定して対象物を検知できます。そのため、高速道路での追従走行では非常に重要な役割を担っています。
ミリ波レーダーが反応しやすいもの
・前方の車両
・ガードレール
・金属製の標識や看板
・トンネルの壁
・橋脚
・金属製フェンス
・道路脇のポール
・大きな障害物
車に搭載されているミリ波レーダーは、電波を発射し、その反射波から物体までの距離・速度・方向を検出します。そのため、金属だけでなく、人や自転車のような物体も検出できます。
歩行者:人体からの反射は車ほど強くありませんが、十分検出可能です。
自転車:人よりもフレームやホイールなど金属部分があるため、比較的検出しやすいです。
二輪車:車より小さいものの、高い確率で検出できます。
自動車・トラック:最も検出しやすい対象です。
※ただし、状況によっては検出が難しくなることがあります。
- 人が車に対して横向きで、反射が弱い姿勢になっている
- 人や自転車が他の車の陰に隠れている
- 非常に近距離で急に飛び出してきた
- ガードレールなど周囲の反射が強く、判別が難しい環境 など
ミリ波レーダーの弱点
一方で苦手なこともあります。
レーダーは反応があると「何かある」ことは分かりますが、それが「車」なのか「人」なのか「障害物」なのかを細かく判別するのは苦手です。
小さい物体は苦手
・細いポール
・ガードレールの端
・落下物
などは検知しにくい場合があります。
また、布や柔らかい素材などは電波が返りにくく認識しづらいことがあります。
なぜ2つのセンサーを組み合わせるのか?
もし単眼カメラだけなら夜間や雨では見えにくくなります。
逆にレーダーだけでは「何があるのか」が分かりません。
そこでレーダーが「100m先に何かある」と検知し、カメラが「歩行者です」と判断します。
2つの情報を照らし合わせることで高い精度で危険を判断できるようになっています。
これを『センサーフュージョン(複数のセンサー情報を統合して判断する技術)』と呼びます。
例えば前方に車がいる場合

※写真はイメージです
【単眼カメラ】
- 車の形を認識
- 自車線内を走行していると判断
- ただし距離の測定はレーダーほど正確ではない
【ミリ波レーダー】
- 前方35mに物体を検知
- 相対速度は時速20kmで接近中
- でもそれが車なのか二輪車なのかは断定しにくい
【2つの情報を統合して判断する】
- 「【ミリ波レーダーより】35m先に物体を検知」
- 「【単眼カメラより】その位置に車を認識」
- 「同じ対象だ」と照合
「衝突の危険あり!!」と判断
→ドライバーに警告して自動ブレーキを作動し、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図る。

【機能説明】
①システムが衝突のおそれがあると判断すると、ブザー音やメーターなどの表示によってドライバーに警告。
②ブレーキペダルを踏むと、ブレーキ踏力をアシスト。
③衝突の可能性が高まると、自動で強いブレーキをかけ、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図ります。
デュアルセンサーブレーキサポートⅡは非常に優れた安全装備ですが『万能ではありません』
次のような場面では性能が十分に発揮できない可能性があります。
・急な飛び出し
人が突然目の前に飛び出してきた場合、停止距離が足りません。
・カーブの先
見えていない対象は検知できません。
・悪天候
豪雨や吹雪、濃霧では認識性能が低下します。
・フロントガラスが汚れている
カメラの前に霜や雪、泥や虫などが付着すると性能が低下します。
・レーダー部分が汚れている
フロントグリル付近にあるレーダー部分も、雪や泥で覆われると正常に動作しないことがあります。
作動条件
スズキセーフティサポートの各機能には、自車の速度、ギア、相手の対象物といった明確な作動条件が設定されています。
機能ごとに設定された一定の条件を満たしていない場合や、ドライバーが意図的に回避操作を行っている場合はシステムが作動しません。
【例】
衝突被害軽減ブレーキ デュアルセンサーブレーキサポートⅡの場合
[対象がクルマと自動二輪車のとき]
約5km/h~約180km/h(対向車は約30km/h~約180km/h)
[対象が歩行者と自転車のとき]
約5km/h~約80km/h
作動条件を満たしていても作動しないケースがある
以下のような状況では、速度条件などを満たしていてもシステムが正常に作動しない、または反応の遅れ、場合によっては作動が解除されます。
- ドライバーが回避操作をしているとき:アクセルを強く踏み込む、ハンドルを大きく・素早く操作すると、運転者の意思が優先されて自動ブレーキは作動しないか解除されます。
- カメラの視界が悪いとき:フロントガラスが曇っている、激しい大雨や雪、夜間で極端に暗い、前方から強烈な光を受けているとき(ホワイトアウト現象)。
その他、対象物のカタチが曖昧なとき:トラックの荷台など、車両の後部形状が特殊な場合や、歩行者がしゃがんでいる、傘を大きく差している、大きな荷物を持っているなど、人の形として認識しにくい状態などは、反応が遅れたり、作動しなかったりすることがあります。
・誤検知、不要作動
デュアルセンサーブレーキサポートⅡは、安全側に動作するよう設計されているため、実際には危険でなくても警報やブレーキが作動する(誤検知・不要作動)ことがあります。
車両や歩行者、自転車以外にも、壁、道路上にある電柱や看板やカーブミラー、反射ポール、道路上に描かれている文字などを対象物として検知し、衝突の可能性が低くてもシステムが作動する場合があります。
つまり『すべての状況を完全に判断できるわけではない』ということになります。
運転を代わってくれる装置ではありません
デュアルセンサーブレーキサポートⅡ(追突軽減ブレーキ)は事故を完全に防ぐ装置ではありません。
前方の車や歩行者、自転車などとの衝突の危険が高まったときに、車が自動でブレーキをかけて衝突を回避したり被害を軽減したりする安全支援装置です。
運転支援装備は
あくまでも安全運転のサポート役です。

まとめ
デュアルセンサーブレーキサポートⅡは、単眼カメラとミリ波レーダー、それぞれの長所を生かし短所を補い合うことで高い予防安全性能を実現しています。しかし、天候や道路環境、対象物の状態によっては性能に限界があるため、システムを過信せず、日頃から安全運転を心掛けることが重要です。
運転支援システムは、あくまでも安全運転をサポートするための機能であり、ドライバーに代わって運転するものではありません。システムの特性や限界を正しく理解し、周囲の状況をしっかり確認しながら運転することが、安全・安心・快適なカーライフにつながります。
便利な機能を上手に活用しながら、「安全を守るのはドライバー自身」という意識を持って、これからもゆとりを持った安全運転を心掛けましょう。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
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